Artmarket.com: Artpriceツールで美術品の流動性を評価する（前編）

パリ, 2023年2月7日 /PRNewswire/ -- 美術品の取引のしやすさは、その作品を制作したアーティストの作品の需給バランス、個々の作品の希少性など、いくつかの要因に左右されます。しかし、実際には希少な名作であっても、オークションに参加できるコレクターが少なかったり、価値が非常に不透明であったりすると、売却が難しくなることがあります。Artpriceが開発したツールは、各アーティストの市場の背後にあるダイナミクスを特定することで、さまざまなシナリオを予測できます。このプロセスでは、各アーティストの真に類似した作品をすべて特定します。

The values of canvases (65 x 100cm) in Claude Monet’s “Waterloo Bridge” series

Breakdown of artists by number of lots sold at auction in 2022

フランスの金融市場監督機関（AMF）は、「流動性」の概念について、次のような比較的広範でオープンな定義を提供しています。金融資産（株式、債券など）は、その売却が価格に大きな影響を与えることなく、迅速に売買できる場合に「流動的」であると言われる。したがって、「流動性」の概念には、資産の取引のしやすさが反映されている。ひいては、流動性の概念は市場にも適用される。市場の「流動性」が高ければ高いほど、そこでの取引は容易で、迅速かつ安価に行うことができる。

www.amf-france.org/fr/espace-epargnants/savoir-bien-investir/cadrer-son-projet/placements-que-savoir-sur-la-liquidite-0

しかし、Artmarket.comのCEOで、Artpriceの創設者でもあるThierry Ehrmannが指摘するように、美術品の流動性は金融資産のそれとは比較になりません。オークションのカタログに美術品を掲載する手続きには数週間から数カ月を要し、オークションの取引費用が20％から30％に達することも珍しいことではなく、ギャラリーがそれ以上の料金を請求することもあります。とはいえ、Artpriceに登録されている80万3,000人のアーティストの場合、マーケットプロファイルは大きく異なっており、通常、その違いは需要と供給の微妙なバランスがどちらに傾いているかに依存します。 

Artpriceは、とりわけ特異的なプロファイルを4つ特定しています。

1.「グレートマスター」： 非常に限られた供給と大量の需要

2016年にDa VinciのSalvator Mundiが（ジュネーブのフリーポートから出て）再登場したとき、その価格が4億5,000万ドルに達すると予測できた専門家はほとんどいませんでした。サウジアラビアの皇太子であるMohammed bin Salmanと2人の億万長者の入札合戦は、現在でも謎に包まれています。 しかし、Leonardoの作品の極端な希少性が、作品の実質的な市場価値をめぐる「不確実性」に重要な役割を果たしたことに疑いの余地はありません。

実際、売り手を安心させる目的で販売保証が当初開発されたのは、このような非常に需要の高いサインのためでした。この仕組みは今日、よりシステム化されてきており、最近のPaul G. Allenコレクションの売却では、すべての作品がオークショニアによって保証されています。その中で、2年間オークションにかけられていたGustave Klimtのユニークな絵画が、最終的に1億400万ドルで落札されました。 

グランドマスターの作品の相場は、「流派」「信奉者」「サークル」など、関連する属性を持つ作品のクラスターに囲まれています。2022年11月、パリのクリスティーズは、作品レベル「after Leonardo da Vinci」のSalvator Mundiを110万ドル（手数料込み）で販売しました。これは、1万～1万5千ドルと見積もられたものです。

www.artprice.com/artist/17205/leonardo-da-vinci/painting/28647612/salvator-mundi

2.ブルーチップアーティスト： 定期的な供給と高い需要 

一方、PicassoやMonetなどの作品は、本質的に絵画であり、毎年十分な数が取引されるため、価格の変遷を追うことが可能です。オークションは、特定の出来事や情熱的な過剰支出、あるいはネガティブな状況により常に直接的な影響を受けることがありますが、これらのアーティストの作品の価値は、一般的に類似作品の直近の結果を基に比較的機械的なロジックで決定されます。

Artprice100©は、この種の署名に焦点を当てたインデックスで、過去20年間、一般的に価格が高騰していますが、分数化ソリューションにより、（資金参加を通じ）取得価格を全額を支払うことなく作品に投資することが可能です。

これらのアーティストの中には、ドローイングや版画を大量に制作したものもあり、コレクターはこれらの作品により、「小さな」作品を手に入れることができ、それが非常に価値のあるものになることもあります。2022年3月、Pablo Picassoのエッチング作品、Le repas frugal（1904）が初めて800万ドルを突破しました。

www.artprice.com/artist/22796/pablo-picasso/print-multiple/26211054/le-repas-frugal

3.ローカルアーティスト： 限られた需要と豊富な供給 

美術史におけるあまり知られていない署名に関しては、美術品オークション市場は、（たとえ「美術史」それ自体がまだ白人アーティストによって大部分支配されているとしても）ほぼすべての芸術時代と運動の作品を豊富に、そして極めて多様に提供しています。

これらの署名の多くは、多かれ少なかれ、単一の国または特定の地域で控えめな売上が発生する傾向があります。これは、需要が一カ所に集中しているためか、一般にその方が結果が良いためか、あるいは単に歴史的な理由から、これらのアーティストの作品を専門に扱うオークションハウスが出品しているのでしょう。

たとえば、Otto Von Faber du Faurの息子でドイツ人画家Hans Von Faber du Faur（1863年〜1940年）の作品は、2022年に124点以上が平均価格200ドルで落札され、これに89点の売れ残りのロットが追加されました。とはいえ、それらはすべて2022年7月14日にドイツのオークショニア、Michael Zellerによってオンラインで主催された一回のセッションで提供されたものです。

4.コンフィデンシャルアーティスト： 需要が少なく供給が限られたアーティスト

Artpriceは、2022年のアートオークション取引件数が歴史的な記録となりました。17万人以上のアーティストに帰属する100万件以上が取引されたのです。このうち、3万4,000人のアーティストが1点以上の作品をオークションに出品しましたが、リザーブ価格に達したものはありませんでした。また、2022年にオークションに出品された全アーティストの3分の2以上が、1回から5回しか登場していません。残念ながら、この頻度が低すぎるため、価格の推移を自信を持って計算することはできません。

とはいえ、多少流行遅れで忘れ去られたこれらの署名の中にこそ、驚くべき再発見があるものです。このカテゴリーには、まだ栄光の時を迎えていない若手ビジュアルアーティストも含まれています。 

これら4つの大きく異なるプロフィールを使って、Artpriceはアート市場におけるアーティストの流動性を計算するプロセスを開始できます。このパラメーターは、作品の流動性が重要視されるすべてのコレクターと、美術品のみを対象とした資金運用ソリューションを提供する新しいプラットフォームのユーザーすべてにとって、興味深いものであるはずです。

画像：
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Artmarketとその部門であるArtpriceは、1997年にCEO Thierry Ehrmannによって創立されました。Artmarketとその部門であるArtpriceは、1987年創立のServeurグループの管理下に置かれています。

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Artmarketは、美術品市場におけるグローバルプレイヤーです。中心となるArtprice 部門は800,000人以上のアーティストを網羅する3,000万以上のインデックスとオークション結果を含むデータバンクを所有しており、これまでと現在の美術品市場情報の蓄積、管理、活用の分野における世界的リーダーとなっています。

Artprice by Artmarketは、美術品市場に関する情報を提供する世界的なリーダーであり、世界標準のマーケットプレイスを通じて、世界有数の美術品NFTプラットフォームになることを目指しています。

Artprice Images®は、世界最大のアート市場イメージバンクのデータベース無制限アクセスを提供しています。このデータベースには、1700年代から今日までのアート作品の1億8,000万を数えるデジタル写真とエッチング画像が、美術史家のコメント付きで収められています。

Artprice部門を有するArtmarketは、6500のオークション ハウスからデータを恒常的に収集し、主要なプレスやメディア機関（7,200誌) 向けに主要なアートマーケット情報を制作しています。720万人のユーザー (ログインメンバーとソーシャルメディアユーザー) が、メンバーの投稿する広告へのアクセスを有し、リーダー的な Global Standardized Marketplace® を代表するネットワークとして、固定ないしは入札価格でのアート作品の売買を取り扱います (オークションはフランス商法の L 321.3 条における第 2、3 段落の定めによって規定されています)。

ArtmarketはArtpriceを含めて、BPI（国立投資銀行）から「イノベーティブ企業ラベル」国立認定を受け、2018年11月から2回目となる3年間の国立支援を獲得しています。これに力を得て、アート市場におけるグローバルプレイヤーとしてのポジション強化プロジェクトに取り組んでいきます。

Artpriceが超現代アート市場についての2022年レポートを発表:
https://www.artprice.com/artprice-reports/the-contemporary-art-market-report-2022

Artprice 2022 年半期レポート：アート市場は西側で力強い成長を取り戻す：https://www.artprice.com/artprice-reports/global-art-market-in-h1-2022-by-artprice-com

Artprice by Artmarket による 2020 年度グローバルアート市場報告 （2022 年度3月発表）:https://www.artprice.com/artprice-reports/the-art-market-in-2021

Artmarket.comによるArtpriceの2020年と2021年の現代アート市場レポート：https://www.artprice.com/artprice-reports/the-contemporary-art-market-report-2021

Artmarket と Artprice によるプレスリリースのインデックス：
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